医学、医療関連の翻訳、校閲、原稿作成に関連した内容、医学雑誌を読んでいて感じたことなどを書いていきます。原稿校正、書き直し代行、翻訳などの依頼はホームページの問い合わせフォームからお願いします。英語の他に和訳はドイツ語、フランス語、スペイン語(独和、仏和、西和)でも私自身がしています。
乳児肥厚性幽門狭窄症は文字通り、乳児期に胃の出口である幽門部分が分厚くなり、内容物の通過障害を起こす病気です。私が最初のこの病気について知ったのは、中学生の頃に家庭用医学書を読んでいた時です。その後、看護専門学校在学中に、手術をしない保存治療の試みもされていることを知り若干驚きました。その後、胃の X線造影写真で診断されていた時代から腹部超音波検査でも病変部位を描出される時代となり、感動しました。今度は、短波放送の医学専門番組を聞いていて、乳児へのマクロライド系抗菌薬投与が発症誘因になり得るとの話を聞き、今回も医学の進歩や時代の変化に驚きました。
私の購読している英文医学雑誌New England Journal of Medicine には Images in Clinical Medicineというページがあります。2017年4月20日号では食道ガンジタ症の内視鏡写真が掲載されていました。AIDSの患者だろうかと読み進めると、びまん性汎細気管支炎でマクロライド系抗菌薬を使っている症例でした。解説文を読み終えてから、こういう疾患と治療の組み合わせからみて日本からの投稿ではないかと思いました。著者名、所属を見るとやはり日本からのものでした。
興味のある方は年間購読者でなくても、上記雑誌のホームページで写真および解説がみられます。
医学書翻訳本を購入したら訳文の日本語が読みにくかったことを、その発売元に伝えてみました。発売前に訳文を読んでみたのか尋ねてみたのですが、先方の回答は「確認した」とのことでした。医学専門書の翻訳本は読みにくい日本語になっていることが多いのですが、どうやら編集者だけでは文章の良し悪しを判断できないようです。医学書出版社の編集者の方には、翻訳本の発売前には一度外部の人に原稿確認を頼んでみることをお勧めします。
ひどい訳文の翻訳本初刷りがいつもまで書店で売れ残っているのをみたことがありますが、そんな事態は出版社にとっても望ましいことではないですよね。