医学、医療関連の翻訳、校閲、原稿作成に関連した内容、医学雑誌を読んでいて感じたことなどを書いていきます。原稿校正、書き直し代行、翻訳などの依頼はホームページの問い合わせフォームからお願いします。英語の他に和訳はドイツ語、フランス語、スペイン語(独和、仏和、西和)でも私自身がしています。
新聞を読んでいると、サービス業でお客様からの要望に応じるのにも限界が近づいているのではいう記事がありました。翻訳業界もそうだといえます。発注側は翻訳会社に仕事を頼む際、納品締切に余裕を持たせず、値引きの要求などもします。そしてそのしわ寄せは、翻訳会社の登録翻訳者に来ます。能力のある個人翻訳者は翻訳会社からの無理な要求に嫌気がさし、他の仕事を探します。新規に翻訳者募集に応じる人も減っています。翻訳会社の訳文の悪さは、前述の背景が一因となっていると思われます。発注側から受注側への無理な要求は、発注側の不利益につながります。
フランスのニュースサイトfranceinfoで医療・保健分野の頁を読んでいると、マンモグラフィーによる乳癌検診の効果を疑問視する団体についての記事がありました。検診により過剰診断、過剰治療につながるという主張がされているようです。
今回の記事に限らず、このようなことは癌検診の有効性について議論されるときには必ず出てきています。例えば、もともとおとなしい性格の癌だからこそ、癌検診で見つかるという考えがあります。なぜなら急速に進行する癌ならば、次の検診の前に症状が出て病院を受診することなります。進行が遅い癌でしかも早期の小さい癌では、そして高齢者の場合などでは他の原因で死亡するかもしれません。癌と診断されたために、癌に対する不安を抱えて過ごす日々が長くなるだけかもしれません。
それ以外にも、癌ではない異常が見つかり、癌でないことを確かめるための検査が必要になることもあります。健康診断を受ける際には、長所とともにその欠点についても理解の上で受けましょう。
外国語を勉強する際、初級レベルの学習を終え、インターネットを使いその外国語のサイトでニュース等を読んでみようとして、難しいと感じる人がいると思われます。その一つの原因は、文章や話を理解するうえで必要となる背景知識がないことが挙げられます。
改めて考えると母国語の日本語の場合でも、背景知識がないと文章の意味は理解できません。外国語の勉強をするときには、まず日本語で読んだなら理解できる内容の文章を読む、話を聞くようにしましょう。
日経メディカルの2017年 4月号を読んでいると、近年ではびまん性汎細気管支炎の新規発症は稀になってきているとの記述がありました。わずか数十年で日本人の体質が遺伝子レベルで変化するとは思えないので環境要因が関与していると想像しますが、具体的な要因となると全く分かりません。
びまん性汎細気管支炎については、「マクロライド系抗菌薬が有効で、抗菌作用以外の機序によるようだ」ということが知られるようになったときにも驚きましたが、今回も発症頻度の変化に驚きました。