医学、医療関連の翻訳、校閲、原稿作成に関連した内容、医学雑誌を読んでいて感じたことなどを書いていきます。原稿校正、書き直し代行、翻訳などの依頼はホームページの問い合わせフォームからお願いします。英語の他に和訳はドイツ語、フランス語、スペイン語(独和、仏和、西和)でも私自身がしています。
英語やその他の外国語を勉強し続けても、上達を実感できずに学習の継続を断念したくなることがあると思われます。各個人で各言語との相性もあるでしょうし、一日にとれる学習時間にもよりますが、語学の習得にはとても時間がかかります。それでも毎日文章を辞書を使いながらでも読み続ければ、辞書で単語の意味を調べる回数は確実に減っていきます。読み進む速度もほんの少しずつですが速くなります。聞いても分からなかったニュースや会話も僅かずつ分かる部分が増えてきます。ただその僅かな変化は実感しにくいです。語学力の変化を実感するには年単位で時間がかかると覚悟して勉強していきましょう。
医療分野に限らないのですが、翻訳会社は自社サイトや求人サイトで翻訳者の「急募」をしていることがよくあります。先日も急募という求人があったので募集記事を眺めると、募集分野が非常に多岐にわたっており、本当は「随時募集」「常時募集」というのが疑われました。現在入っているか入る予定の受注を処理するための急募なら、それほど募集分野は広がるとは思えません。
「常時募集」と書いても、翻訳者は仕事を回してもらえないだろうと思い応募はしなくなっています。そこで翻訳会社は「急募」と書いて仕事の欲しい翻訳者が慌てて応募してくるのを狙っています。翻訳者の皆様は偽りの急募を賢く見抜きましょう。「急募なのだから、今現在入っている仕事で人手が足りないのですか」とでも問い合わせてみるのも一つの確認方法です。
年間購読している医学雑誌を読んでいて、今回も時代の変化または医学の進歩を感じる内容がありました。進行性多巣性白質脳症の治療薬として、元々はマラリア治療薬のメフロキンが用いられると記述がありました。残念ながら全ての患者に有効とまではいきませんし、いわゆる高い水準のエビデンスとまではいかないようです。それでも治療できる可能性が出てきたのは喜ばしいことです。もっとも患者やその家族が望むのは後遺症なく完治し、治療の副作用もないか軽度、短期間の治療で済むなどですが、現在の臨床医学では多くの病気でその目標からは程遠いのが現実です。