医学、医療関連の翻訳、校閲、原稿作成に関連した内容、医学雑誌を読んでいて感じたことなどを書いていきます。原稿校正、書き直し代行、翻訳などの依頼はホームページの問い合わせフォームからお願いします。英語の他に和訳はドイツ語、フランス語、スペイン語(独和、仏和、西和)でも私自身がしています。
昨日初めて「スマートドラッグ」という用語をテレビのニュースで見聞きしました。今朝の新聞にも出ていました。smartという英単語には「頭のよい」「賢い」という意味があり、頭のよくなる薬ということです。もちろんそんな薬などありませんが、学生の間で神経系に作用する医療用医薬品が用いられているらしいです。本来は病院の処方箋が必要なのですが、個人輸入という抜け穴を使って入手できていたのも規制されるとのことです。
本来は病気にために用いる薬ですから、何かしらの副作用が生じる危険さえあります。スマートドラッグ以外にも医療用医薬品を処方せんなしで購入できるなどという広告もみかけますが、不十分な専門知識で安易に医療用医薬品を使うのは非常に危険です。安易な使用はやめましょう。
本日ドイツの放送局Deutsche Welleでドイツ語のニュース記事を少し読んだ後、同局のフランス語サイトもみていました。そのフランス語記事によると髄膜炎菌感染症患者がナイジェリアでは増えていて、まがい物のワクチンも出回っているらしいです。最近の日本ではC型ウイルス性肝炎治療薬の偽物が薬局内に入り込む事件がありましたが、悩める患者や一般市民を狙ってひと儲けしようとする人はどこにでもいるようです。
年間購読している医学雑誌を読んでいて、今回も時代の変化または医学の進歩を感じる内容がありました。進行性多巣性白質脳症の治療薬として、元々はマラリア治療薬のメフロキンが用いられると記述がありました。残念ながら全ての患者に有効とまではいきませんし、いわゆる高い水準のエビデンスとまではいかないようです。それでも治療できる可能性が出てきたのは喜ばしいことです。もっとも患者やその家族が望むのは後遺症なく完治し、治療の副作用もないか軽度、短期間の治療で済むなどですが、現在の臨床医学では多くの病気でその目標からは程遠いのが現実です。