本日11月4日は世界糖尿病デーらしいです。それに合わせたのかは分かりませんが、先日は短波放送で医師向け医学番組を聞いていると糖尿病関連の話題が取り上げられていました。演者の先生はまだ新米だった頃に診て糖尿病診療に取り組むきっかけになった患者の話をまずしていて、当時は今と違って明確な管理目標値が定められていなかったことも話されていました。確かに糖尿病診療の時代を振り返ると、たかだか20~30年で大きく変化しました。
経口ブドウ負荷試験はだいぶ昔には50gないし100gの負荷量だったのが75gになりました。また過去一定期間の平均血糖値を反映するHbA1が登場してきてその話をはじめて聞いたときのことは、明瞭に覚えています。「診察時直前になると食事や運動などの自己管理をしっかりする患者であっても、普段の状況が推測できる」と演者の先生が話されていたのが思い出されます。
治療薬も私がはじめて内科の授業で糖尿病について学んだときには、経口薬についてはスルホニル尿素剤が主体で、ビクアナイドは乳酸アシドーシスの懸念から敬遠されていました。今はビクアナイドも積極的に用いられ、他の作用機序の異なる薬剤が多数出ています。インスリン注射についても、特に注射部位が汚れていなければ消毒は不要、肌を露出しにくい状況なら服の上からでも可という話を読んだ時も、考え方の変化に驚きました。