膠原病の代表例として多発性筋炎と皮膚筋炎があります。膠原病は自己免疫疾患の一種ですから自己抗体が陽性となります。私がはじめて各膠原病と自己抗体の主な組み合わせを最初に勉強したときには、多発性筋炎や皮膚筋炎についてはとりあえず抗Jo-1抗体だけ覚えておけばよかったのですが、今日ではそうもかくなくなりました。
現在膠原病の特集をした内科学雑誌を読んでいますが、筋炎特異的自己抗体は何種類も出てきているのを改めて認識させられています。どの抗体が陽性かにより病状も異なります。抗TIF1抗体陽性成人例では悪性腫瘍合併が多い、抗MDA5抗体陽性では間質性肺炎合併が多いなどの特徴があります。非専門医なら、陽性となる抗体によって病状が異なることだけ覚えておき、後は参考書を見ながら診療をすればよいとも言えます。ただ医学生は授業で覚えさせられ、期末試験にも出題されたりすると想像され、大変です。