医学雑誌を読んでいて困ることの一つは略語の濫用です。医療関係者には周知の略語ならともかく、専門の先生しか知らない略語、さらには著者が独自に作った略語などでは、読者は同じ論文や記事の少し前を再度見て、略語の意味を確認しなければなりません。著者は「これくらいの略語は読みながら覚えてよ」と思っているのでしょうが、実際には無理です。
特に一つの論文内や記事の内部で、上記のように一部の人にしか分からない略語を見出しや小見出しに使われると、読者にはかなりの迷惑です。見出しが見慣れない略語ばかりだと、読者としては本当に嫌になります。見出しの意味さえ分からないのですから、そのままでは読み進められません。あまりにひどい論文や記事だと、お金を出して買っている雑誌でもその頁だけ読まずにすまことさえあります。著者や編集者の努力もこれでは報われません。