医学書の翻訳本を買うと、日本語が読みにくくて内容を理解できず、ろくに読まずに捨ててしまうということがよくあります。医学雑誌に掲載される広告用書評でほめちぎる文章が書かれていたとしても、実際に買ってみると商品価値などないと思われる翻訳本もあります。訳者の先生には読みやすい文章を書けるだけの訳書作成能力がない、そして編集者には英文読解力もなければ十分な日本語校正能力がないといった条件が重なり、粗末な翻訳本になるのでしょう。お金と時間をかけてこんな翻訳本をどうして作るのでしょう。医師であれば英語が得意ではない先生だとしても、少なくとも一定水準の英文読解力はあるはずです。無理に翻訳本を作るより、原著を和書と同じ流通経路にのせて買い求めやすくしてくれた方がよっぽど消費者に親切です。