医学書編集者の求人を見ていると、「医学知識は必要ありません」という文言を見かけます。医学書の読者として頻回に漢字変換ミス、英語以外の欧文文字の不正確な表記、単純な不注意によると思われる内容の書き間違い、古い知識での記述など見ている立場としては、こういう求人の表現には疑問を感じてしまいます。上記のような求人文言の具体的意味は「入社時には医学知識は必要ありません。入社後に必要に応じて覚えてくれればよいです。」あるいは「校正、校閲はそのための人材が別途いるので、細かい医学知識は不要です。」ということなのかもしれません。それでも読者として日々まずい文章を読んでいる身としては、「編集者なら多少なりとも医学知識は必要でしょうに」と思ってしまいます。一冊の本を作ればどんなに注意してもどこかに誤りは残るものですが、その出現確率を下げるために編集者には更なる努力を期待します。