疾患によっては好発年齢があります。その年齢層を記述する際に例えば「65歳以上」というように「以上」「以下」「未満」などの漢字表記をしていれば著者の書き間違いの確率は低くなります。その一方、「年齢≧65歳」「年齢≦65歳」という表記の場合には不等号の選択を間違える確率が高くなります。実際にその例をみた経験があります。
医学書の場合には読者は医師またはその他の医療関係者なので、文脈から「以上」「以下」のどちらなのかすぐに分かりますし、不等号には注意せずに無意識に「○○歳以上」などと読んでいるかもしれません。読者の実害は小さいにしても、医学書の評価は確実に低くなります。医学書の編集者や校正者は十分に注意しましょう。