医学雑誌を読んでいると、「この本は漢字変換の誤りは以前と比べて少なくなったのに、日本語としてときに明らかにおかしな作文が残っている」と感じることがあります。ここまで誤字を減らせたので優秀な校正者を見つけられたのかとも思っていたのですが、それにしては単純な悪文を見落としているというのは漢字の校正能力に比例しません。もしかしたら誤字となりやすい漢字については、WORDの検索機能で原稿全体を確認しているのかもしれません。編集者は漢字の確認ばかりに力を注いでしまい、日本語の文章として読みやすいかどうかという点にまで気が回らないのかもしれません。「原稿作成は人の手作業だし、この程度は仕方ないか」と思える程度で許容範囲内ではあります。ただ自分が文章関連の作業をしている関係で、どうしても気になってしまいます。医学書の編集者や校正者の皆様は、誤字だけでなく医療関係者に通じる日本語に文章がなっているかよく確認しましょう。