医学、医療関連の翻訳、校閲、原稿作成に関連した内容、医学雑誌を読んでいて感じたことなどを書いていきます。原稿校正、書き直し代行、翻訳などの依頼はホームページの問い合わせフォームからお願いします。英語の他に和訳はドイツ語、フランス語、スペイン語(独和、仏和、西和)でも私自身がしています。
医学書では単純な漢字変換の誤り、すなわち誤字がよくみられます。今まで見た例としては「灌流」と「還流」、「伸展」と「進展」等があります。意味を考えて読んでいれば修正の必要性が分かりそうなのに、誤字が残っていることはよくあります。
ただし誤字ばかりに気を取られて校正していると、記述内容の誤りを見落とすことがあります。明らかに図はMRIの写真なのに"CT"と書いている例を見たことがあります。最近見た例では、「冠動脈造影」と書いてあるのに冠動脈は全くみえず、別の検査の画像であったことがあります。単純に誤字の有無だけを見るのではなく、内容に誤りがないかも医学書の編集者や校正者は確認をしておきましょう。「専門家が書いているのだから正しいのだろう」と思うのではなく、自分が監修者のつもりできちんと原稿を確認する必要があります。