New England Journal of Medicineという英文医学雑誌のホームページをみていると、副腎白質ジストロフィー(cerebral adrenoleukodystrophy)に対する遺伝子治療の研究が、紙媒体の前にオンライン版として先行発表されていました。
私がこの病気を知ったのは「ロレンツォのオイル」という映画がきっかけです。新作映画を紹介するテレビ番組をみていてこの映画を知りました。この映画は、副腎白質ジストロフィーの患児を持った家族を描いていました。子供を助けたいために普通の親御さんが勉強や研究を重ねて新しい治療法の「ロレンツォのオイル」を開発するという内容だったと思います。残念ながらこのご家族のお子さんには効いたとしても、ロレンツォのオイルは多くの患者さんで使ってみると確かな効果はありませんでした。今回発表された遺伝子治療が進歩し、治療法として確立されることが望まれます。さらに言えばもっと簡便な、どこの医療機関でも行える治療法の開発が望まれます。
なお上記雑誌は年間購読者でなくても論文の要約はホームページ上で読めます。興味のある方はご覧ください。