医学書では「腸間膜」とすべきところが「腸管膜」となっていることがよくあります。私が現在使っているパソコンでは「ちょうかんまく」と入力してこの7文字を一括で変換すると「腸間膜」と正しく変換されます。それ以外の漢字の変換候補はありませんでした。どうやら著者が「ちょうかん」と入力してまずそれを漢字変換し、次に「まく」を漢字変換するという二段階の作業で原稿作成を行った結果として「腸管膜」という誤字が生じていると推測されました。そうでないとしたら編集者、校正者が「腸管の膜」だから「腸管膜」と思って書き直しているのかもしれません。そしてゲラ刷りの著者校正でもそれと気づかずに出版されている…というのは私の考えすぎだとは思います。それはともかく、腸間膜は「肝胃間膜」「胃結腸間膜」などというときのように、消化器、消化管の間に張られている膜と考えると、医学教育を受けていない編集者にも少しは理解しやすくなるでしょうか。