某医学雑誌の中に「毛管内皮」という語句を見つけました。このような用語は見たことがありません。変に思い文章の前後を読み返してみました。そうするとどうやら「血管内皮」と書くべきところで、ワープロ入力を誤ったものと想像できました。他にも医学書では「棚状配列」と書くべきところを繰り返し「策状配列」としていた例、「マクログロブリン」とすべきところを「マグログロブリン」(魚のグロブリンになってしまう?)と書いてしまっていた例もみた記憶があります。
医学書編集者および校正者は、内容を理解しながら文章を読んで校正する必要があります。専門家が書いているのだからこれで正しいのだろうと決めつけてはいけません。ちなみに今私が書いていたこの「専門家」ですが、文脈からは「専門家」と思えるのに「専門科」としていた例も見かけた経験があります。医学書出版社の方は、自社の信頼性を損ねるだけでなく、著者の先生にも恥をかかせることになります。読者にとっても読みにくくなります。読み易い文章にするために更なる努力をしましょう。