ドラマ「白い巨塔」は面白く、他の俳優を起用して作られた以前のテレビシリーズも含めてこのドラマを見てきました。原作の小説も読みました。そして医療や医療技術の時代変化に合わせてTVドラマの内容も変わっているところがあります。その一つが、患者において膵臓がんに併発していたという設定の血管内リンパ腫です。この血管内リンパ腫というのは、医学の長い歴史から考えれば比較的最近になって出てきた疾患概念です。「白い巨塔」の原作が作られた時代にはなかった疾患概念です。そしてこの血管内リンパ腫は実際には生前診断が難しい疾患です。すなわち救命できず、後に病理解剖などで初めてそれと分かることも多い疾患です。ずいぶんと難しい病気をドラマの状況設定に入れて来たなと感じました。