日経メディカル2017年12月号を読んでいると、クロストリジウム・ディフィシル感染症に対する新薬として、本菌の産生毒素を標的とした抗体製剤ベズロトクスマブが紹介されていました。再発抑制目的で保険適用になるようです。本感染症については何年か前にNew England Journal of Medicineという英文医学雑誌で糞便移植、平易な表現でいえばウンコ、ウンチの移植の論文を読んだことが思い出されます。その後は、他疾患についても腸内細菌との関連が言われるようになりました。
それにしても製薬業界では抗体製剤開発の流行が止まりません。リウマチ性疾患に対する抗体製剤以降、悪性腫瘍、代謝性疾患、感染症にと抗体製剤が次々と作られています。感染症についてはこの抗体製剤流行のかなり以前にRSウイルス感染症抑制目的でのパリビスマブという抗体医薬品が出てきて感動したのを覚えています。それ以降は感染症に対する抗体製剤の話は聞いた記憶がなかったのですが、最近の流行に乗って他の感染症に対しても抗体製剤が開発されていくのでしょうか。