少し前に離島の総合診療医が書いた整形外科領域の超音波検査の本を読みました。それが面白かったので同じ先生が著者になっている別の本も買ってみました。中山書店「離島発 いますぐ使える! 外来診療 小ワザ 離れワザ」という本です。これがまた面白く、楽しく読み進められる本でした。著者の先生も前書きで書かれていることですが、evidence-basedというより日常診療での経験をもとに自己の診療上の工夫を書かれています。「である」調ではなく「ですます」調で書かれていて、日常診療での体験談を聞いているような感じの文章です。各診療科の専門医がそろってはいない離島で、患者背景も考慮して地域医療に貢献している様子が伺えます。都会で診療している先生も一読しておくと、いつかどこかで役に立つかもしれません。
この医学書の完成の背後には病気やけがで苦しんだ島民がいるわけであり、他人の不幸の上に面白い医学書ができているのには複雑な感情を覚えました。