終末期などにおいて透析を無理に続けないということについては、以前から見聞きしていました。今回は、終末期でもないのに透析を中止する、あいるは透析を導入しないとの選択肢を患者に示した医療機関の存在がマスコミで取り上げられています。マスコミ報道によると、透析をしないことによる不利益も当然ながら説明されるなど、説明方法には注意をしていた様子です。細かい情報は部外者の私には分かりませんが、この件について感じたことを述べておきます。
確かに透析をすれば長期生存できるのに、透析を導入しないか中断するのは非倫理的という見方は理解できます。その一方で患者には自己決定権があります。慢性腎不全に対する透析に限らず、患者が何かの検査や治療を極端に嫌がり拒否した場合、医療機関側にそれを検査や治療を強要する権限はありません。医療関係者向けの媒体をみていれば「患者の自己判断で通院を中断していたところ・・・」「患者の了承を得られず」などと言った文言は時々見かけます。透析をしない、中断するという決断をした患者に無理に透析を受けさせることができるのでしょうか。