高齢者の自動車運転による事故、免許更新時の認知症スクリーニングなどが今までも社会問題になっています。昨日と今日も、新聞で高齢ドライバーの認知症の恐れの割合などが記事になっていたのを読みました。
購読してい医学雑誌でも取り上げられていたことがあるのですが、高齢ドライバーが認知症かどうかの診断を求められても、医師にとってはかなり難しいかもしれません。
長年家庭医としてその患者をみていれば、その患者のことをよくわかっていて、診断に自信を持てても、初診の患者では認知症の診断は難しいかもしれません。認知症の症状があるからといって、それが本当に認知症かどうかを一度もしくは数度の診察で見極めるのは難しいと思われます。不眠症、寝不足で頭が働かないだけかもしれません。高齢者では何種類も薬を飲んでいることが多くなりますが、薬の副作用で認知症に似た状態になっているのかもしれません。単に頭を使わない生活をしているために、運動不足の体と同じように頭の働きも落ちているだけかもしれません。ある程度の日数をかけてその患者の様子を見ていかないと、正確な判断が難しい例も多いでしょう。