New England Journal of Medicineの最新号(2019年3月28日号)にはリファンピシン耐性結核に対する治療法についての研究論文が掲載され、論説(editorial)でもその研究が取り上げられていました。その論説を読んでいると、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)等にも用いられる抗生物質リネゾリドにも抗結核作用があることが書かれており、それが印象に残りました。以前に一部のニューキノロン薬にも抗結核薬としての効果が期待できることを知ったときにも、他の感染症で用いられていた抗菌薬も結核の治療に使えるのかと思った記憶があります。ところでこれらの抗菌薬が結核にも効きそうだと最初に発見した人は、どうしてそう思ったのでしょう。たまたま合併していた他の感染症に使ったら結核もよくなったのか、最初から他の抗菌薬も効くかもしれないと基礎研究をしたのか私には分かりません。どちらにしても、治療の選択肢が増えるのはよいことです。