医学、医療関連の翻訳、校閲、原稿作成に関連した内容、医学雑誌を読んでいて感じたことなどを書いていきます。原稿校正、書き直し代行、翻訳などの依頼はホームページの問い合わせフォームからお願いします。英語の他に和訳はドイツ語、フランス語、スペイン語(独和、仏和、西和)でも私自身がしています。
新聞の第一面に糖尿病患者やその疑い例が1000万人を超えるとの記事がありました。高齢者の増加が背景にあるらしいですが、高齢者ではどのように治療するのか、実際に診療する先生たちには悩ましいところでしょう。高齢者では若い人に比べれば当然ながら残りの寿命は少なくなります。糖尿病の合併症が出てくる前に、他の病気や事故で死亡する確率の方が高いかもしれません。高血糖の程度にもよるでしょうが、どの程度積極的に治療するのか、第一線で診療にあたる先生は悩むと思われます。
治療をするにしても悩ましい問題があります。高齢者では食事や運動などその人なりの生活習慣は定着していて、その修正は難しいかもしれません。運動と言っても、膝が悪い、体力の衰えなどで若い人のようには運動はできる人ばかりではありません。また既に他の病気で薬を何種類も薬を飲んでいる人に、更に別の薬を使うとなると、患者の費用負担増加や薬物相互作用、副作用などの問題が出てくる懸念もあります。現場の先生たちの苦労が想像されます。