新聞を読んでいると癌治療の生存率に関する記事がありました。病院によっては自分の所での治療成績を公開している例もあるでしょう。それらを見る時には注意してもらいたい点があります。それはその病院内に置いて患者全体を見たときの治療効果の確率であるという点です。大病院や高次医療機関には治療の難しい患者が集まるという、対象患者の偏りがあるかもしれません。逆に比較的治癒が期待しやすい患者を多くみている病院では、治療成績がよくなると思われます。
例えば進行している癌、併存疾患があって強力な治療を行いにくい患者などを多く見ている病院では、そのために治療成績が劣るのかもしれません。癌の進行度にも治療成績は変わりますし、個々の患者で進行度に応じた標準治療をどの程度完遂しているかによっても治療成績は変わります。患者各個人で癌の性格も異なります。公開されている成績はあくまで確率であり、多くの要因により影響を受けることを認識しておきましょう。