新型コロナウイルスCOVID-19が世界的規模で流行しています。ウイルス感染症なので、細菌に用いる抗生物質は当然無効です。しかし少数例とはいえ高齢者などで死亡例はあり、一部の人達では重症化もします。その中で既存の薬剤でどうにか治療できないかという試みがされています。
最初AIDS治療薬の投与が試みられて有効かもしれないとの報道がありました。喘息治療用のステロイド薬が有効だった例の報道もありました。先日はフランスでは20数例での経験とはいえマラリア治療薬のクロロキンが有効かもしれないとの報道が、現地のメディアでされていました。本日は日本の新聞を読んでいると、膵炎治療に用いるタンパク分解酵素阻害剤の有効性の可能性について書かれていました。どれも実際に一定の効果が得られるのであればよいのですが、これだけ治療薬候補が次々と出てくると効果の真偽を慎重に判断する必要はあるでしょう。たまたま自然に病状が改善する時期に投与したのを有効と誤って判断している可能性は否定できません。