内科の雑誌を読んでいると感染性心内膜炎の診断基準(Duke基準)が掲載されていました。教科書などでも掲載されている診断基準です。その中の「小基準」をみると「眼球結膜出血」と書かれていました。私の頭の中では感染性心内膜炎というと、「眼球結膜」の出血ではなく「眼瞼結膜」の出血の写真をみた記憶ばかりが出てきます。冒頭で述べた雑誌の写真も眼瞼結膜の出血例でした。変だなと思い、Duke基準と言うからには外国の診断基準だろうからと英語で検索して数カ所のホームページを見てみました。そうすると、英文の診断基準では単に「結膜の出血」という意味の表記になっていて、眼瞼結膜(上下のまぶたの裏側の結膜)とも眼球結膜(白目の部分)とも書かれていませんでした。どうやら日本語訳を作成するときに「眼の結膜」という意味で「眼球結膜」と誰かが訳してしまったのがそのまま使われているのではないかと、私は推測するに至りました。