新聞の投書欄を読んでいると、最初に見てもらった医師の判断に疑問を感じて別の医師でもらったら違った病気だった、前の医師の判断は不適切であったというものがよくみられます。最初の医師の診療能力に問題があったという場合も勿論あります。
その一方で、後から診る医師の方が正しい診断や治療法の選択で有利な面があることを忘れてはいけません。すなわち最初の医師の時と比べると、時間が経過していて症状や検査結果が変化して診断をしやすくなっている場合があります。また、後からみる医師にしてみれば「わざわざ別の医師の診察を求めるくらいだから、何か見落とされているかもしれない。特に慎重に診なければ」と思ってより丁寧な診察をしているかもしれません。また医師も人間ですから万能ではありません。得意、不得意もあります。一人の医師には難しくても、別の医師には簡単なことだってあります。こういう背景も考えましょう。