神経難病患者の自殺幇助事件に関連して、容疑者の医師免許の不正取得が報じられています。詳細は分かりませんが、医師国家試験受験資格を満たすため、外国の医学部卒業ということにしたようです。この記事を読んだ人の中には、医学部を卒業していない人でも仮に医師国家試験を受験さえできれば合格点は取れるのだと思った人もいるでしょう。今回の例では、日本の医学部は中退らしいですが(何学年まで在学してどこまで勉強したかは不明)、他の医療系職種で一定の臨床感覚を持っている人がそれなりの勉強をすれば医師国家試験を受験できれば合格点を取ることはできると思われます。
私自身も看護専門学校中退で臨床検査技師の資格しかありませんが、医師国家試験の問題解説書で実際に解いていくうちに、何年か経過すると正解率は80%台後半になりました。医師国家試験予備校からの依頼で模試問題全問の校閲をしていたときは、編集者に「学生からの苦情や問い合わせが激減した」と喜ばれたりもしました(編集者の交代で方針が変わり、この仕事は消失)。医師国家試験の難易度は、必ずしも医学部を卒業していないと合格できまないほど難しくはないと思われます。