某医科大学での入学試験において女性や長い浪人生活者の入学を少なくする対応が取られていたことが伝えられています。他の大学でも同様の例が報道されています。これに関連して、願書で親の職業や出身校など記載させる、面接で聞くなどの対応も問題視されるなどしています。しかし、以前からわかっていたこともあるのに、今更という気もします。
私の大学時代の同級生には私立の医学科を受験した人もいますが、その人の話では「合格発表前に大学から電話があり、"今の繰り上げ合格順位は○番目だが、寄付金はいくら出せるか"聞かれた。答えると実際の発表では繰り上げ合格順位が下がっていた」とのことでした。その他、私立医科大学の願書では親の職業など記述を求められるのは今まで問題視されなかっただけで、医大受験を考えて願書を見たことのある人なら多くの人がすでに知っていることです。
入学者の男女比についても、女性を少なくするのは問題でしょう。その一方で女性医師が増えた場合の問題まで踏み込んで考える必要があります。従来、女性は眼科、皮膚科、耳鼻咽喉科など特定の診療科に進む傾向があります。女性医師が増えすぎると他の診療科の医師が減ってしまう、眼科など上記診療科の生存競争が激しくなり、経営難になるなどの問題が生じるかもしれません。