短波放送の医学専門番組を聞いていると、先日はアルコール使用障害が主題となっていました。「使用障害」ではなく「依存症」と言った方が分かりやすい人も多いでしょう。お酒は「使用」するものではなく「飲む」ものですから、私も「使用障害」という用語には違和感があります。しかし世の中がこの呼称に決めてしまったので、それに従うしかありません。
番組の中では薬物治療についても言及されていましたが、看護専門学校在学中に薬理学の教科書でジスルフィラムという抗酒薬の記述を読んだときの感動は今でも覚えています。子供の時に「大酒飲みの夫の飲食物に抗酒薬を混ぜて、お酒に弱くなったと勘違いさせて飲酒量を減らさせている」というウソかホントか分からない話をテレビで聞いたことも思い出されます。今ではアカンプロサートという薬もあって、「断酒維持の補助」ということで保険適用にもなっています。
以前は治療というと完全断酒でしたが、今では節酒も状況により考えられています。何年か前にこのことを初めて聞いたときは驚きました。ただ節酒ができるくらいなら使用障害という病気として扱う状況には至っていないのではとも、古い知識で考えたくなります。