医学、医療関連の翻訳、校閲、原稿作成に関連した内容、医学雑誌を読んでいて感じたことなどを書いていきます。原稿校正、書き直し代行、翻訳などの依頼はホームページの問い合わせフォームからお願いします。英語の他に和訳はドイツ語、フランス語、スペイン語(独和、仏和、西和)でも私自身がしています。
新聞を見ていると「手術不要の乳癌」という感じの見出しの表現がありました。「手術不要」とはどういうことか疑問に思いながら記事を読みました。実際には、一定の条件を満たした一部の乳癌では、手術をしなくても他の治療法で治癒が期待できそうだということでした。この新聞記事を読みながら、この記事の見出しは誤解を生む危険はないかとの懸念を私は持ちました。医療関係者ならば記事本文を読めば内容を理解できます。長期成績はどうなのか、実際に手術をしないとしたら癌細胞の消滅はどうやって確認するのかなど、医療関係者ならば考えながら記事を読めます。しかし一般の方々は「手術不要」の部分にだけ注意が向いて、過度な期待をしてしまうかもしれません。本文まで詳しく読んではくれないかもしれません。
見出しという性格上、人目をひく、少ない文字数といった制約はあるにしても、もう少し一般市民でも正確に理解できる見出しにできないものかと感じてしまいました。