英文和訳でも和文英訳でも、訳文校正もしくは訳文チェックが成立するためには条件があります。一つ目の条件は原文が、他人が読んで理解できる文章であることです。原文の作文が悪すぎてそもそも翻訳という作業が成立しないのに無理に訳してしまい、校正も当然できないという経験を何度か私はしています。和訳、英訳どちらでもその経験があります。原文がひどくでも翻訳会社の登録翻訳者は仕事とお金の欲しさから無理に訳してしまうことがあります。翻訳会社に発注する前に原文の質も確認できればした方がよいでしょう。
もう一つの条件は、訳文の品質です。和訳の場合は多少修正箇所が増えてもどうにかできることは多いです。勿論、下訳がひどすぎて新規翻訳扱いになった例はありますが、比較的稀です。その一方で英訳の場合は、無理に下訳を残そうとすると新規翻訳より大変となりがちです。あまりに英訳がひどいと日本人校正者、英語を母国語とする校正者のどちらも細かな校正を断念してしまう恐れがあります。