翻訳会社の訳文の質が低いのは、ある程度は避けられません。そうなってしまうしくみが業界にできあがっているからです。ですが例えば、「ここまで誤訳が多いのか」あるいは「明確な誤訳こそ少ないが、日本語訳が不自然すぎて修正する方が、白紙から訳し直すより大変」という程度までひどいときには、翻訳会社にはしっかりと苦情を言った方がよいでしょう。しかしただ苦情を言うだけではあまり改善は期待できません。
私が登録翻訳者として以前取引をしていた翻訳会社は、普段は私に仕事を回さないのに、顧客からやり直しを求められたときだけは私に頼るということを繰り返していました。この会社のように、やり直しを求められてはじめて上手な翻訳者に仕事を頼む会社もあると思われます。したがって、あまりにもひどい訳文のときには、単に訳文の質について苦情を言うだけでなくやり直しを求めるのも一つの対策となります。