翻訳会社は常時または必要に応じて下請けの個人翻訳者を募集しています。その際に大抵はいわゆるトライアル、すなわち翻訳テストを実施します。応募翻訳者が訳文見本を用意しても受け付けずにトライアル必須とする会社がほとんどです。
ただ翻訳会社が翻訳テストの訳文評価を適切に行えるのかは疑問を感じます。「翻訳会社の作った和訳を確認して適宜修正して欲しい」という依頼を受け続けていますが、和訳でも翻訳会社の訳文はひどいです。変な日本語表現は多く、具体的に指示を出しても改善されません。また翻訳会社のホームページ上にある訳文見本を見ると、英訳では誤った単語の使い方がされている他、悪い意味で日本語原文に忠実になりすぎた直訳で不自然な英文になっていたりします。
こんな訳文しか作れない能力の翻訳会社が他人の文章を評価できるのか疑問を覚えます。翻訳会社はお気に入りの下請け翻訳者に翻訳テストの模範解答作成を頼む場合がありますが、不適切な模範解答を基準に求人応募者のトライアル訳文が評価されている恐れがあります。