日経メディカル最新号(2019年1月号)には「医師を狙う悪いヤツらにご用心」という記事がありました。先生方のご苦労を感じられる内容でした。それに関連して今回は私の関する翻訳業界において、翻訳会社が顧客をだます手法をいくつか紹介します。
まず「登録翻訳者○○○人」など下請け翻訳者の多さを強調している会社があります。しかし実働率は非常に低いという恐れがあります。翻訳者登録だけしておいて、その翻訳者には仕事を全く回さないという例は多々あります。登録翻訳者が多いからよい翻訳会社とは言えません。
次に格安を強調する会社があります。よく読むと、機械翻訳に多少の手を入れるだけという説明がホームページ上で書かれている場合があります。また、本業で十分に収入のある人にアルバイトでやってもらっているから安くできるという会社もありますが、私はそれにも懐疑的です。私自身も翻訳業以外に安定収入がありますが、医学翻訳という難しい仕事の内容に見合わない低報酬の仕事を引き受ける気にはなりません。
まず少しだけ訳してもらってその訳文がよければ続きも頼むという人もいるでしょう。しかしこれにも落とし穴があります。最初だけ上手な人に訳してもらうか校正をしっかりとしてもらい、受注が確定すれば低報酬でやってくれる下級翻訳者にやらせる翻訳会社があります。気づかなかったとはいえ私自身、このやり方に加担させられたことがあります。