翻訳者向けの求人サイトをみていると、多くの会社で翻訳支援ソフトの使用が応募条件になっています。その支援ソフトを用いて翻訳者自身による翻訳作業が減った場合には、その分だけ翻訳者報酬を減らすことに同意できることという条件を出している会社まであります。
これらの姿勢は翻訳会社にとって自殺行為に思えてなりません。翻訳支援ソフトは使い方によっては有用です。その一方で翻訳支援ソフトが適さない状況もあります。外注翻訳者にとっても収入が減れば、よい仕事をする意欲は低下します。訳文の質は低下し、翻訳会社に対する顧客の評価は低下して客離れを生じます。病気の治療や検査でもそうなのですが、翻訳支援ソフトは有益性と短所を天秤にかけ、有益性の方が大きいときに使うようにしたいものです。