医療補訳者を10人程度募集している求人がありました。この求人を見て感じたのは、10人も実務水準にある人を確保できるのだろうかということです。私は数社から頼まれて、求人応募者に対する翻訳テスト(いわゆるトライアル)の審査をしていたことがあります。求人応募者が激減して今は審査をしていませんが、私の経験から言うと実務水準にある人は稀です。和訳であれば大勢の応募があれば数人は人材を見つけられるでしょう。それ以上の人数を望むとなると、多少は難のある訳文を書く人でも使わざるを得ないと思われます。英訳のできる人を探すのはもっと大変です。大勢の中から1~2人見つかればよいくらいです。ましてや高額な上に使いにくいとさえいわれるソフトを自腹で用意することを要求したり、いつでもメールで連絡が取れて頼めば直ちに作業をして短時間で納品してくれるなどという条件を付けていたら、翻訳能力の高い人は集められないでしょう。