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フリーランス医学書校閲者・医療翻訳者日誌

医学、医療関連の翻訳、校閲、原稿作成に関連した内容、医学雑誌を読んでいて感じたことなどを書いていきます。原稿校正、書き直し代行、翻訳などの依頼はホームページの問い合わせフォームからお願いします。英語の他に和訳はドイツ語、フランス語、スペイン語(独和、仏和、西和)でも私自身がしています。

abdominal cramps=「腹部痙攣」?

    消化器症状の記述をする際に「下痢や腹部痙攣」と書いている医学書がありました。ここまで私の文章を読んで「下痢」はともかく「腹部痙攣」という表現はよくわからない…と感じた人はいるでしょう。これはおそらく英語の医学文献を参照して原稿書く際に"abdominal cramps"を訳して引用した結果と思われます。私の手元にある辞書を調べると確かに、"cramp"の意味として医学英和辞典では「痙攣」という意味だけが書かれていました。しかし一方で、一般向けの通常の英和辞典を調べると「激しい腹痛」という意味も同時に書かれていました。つまりabdominal crampsは本当は「腹痛」「強い腹痛」という感じの意味なのです。
 このように英語の文献を参照して原稿を書く際に、不自然な訳語を用いてしまう例がありますので、医学書編集者は注意が必要です。

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プロフィール

HN:
医学書校正者 & 医療翻訳者
性別:
男性
職業:
医学書編集・医療翻訳

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