企業が何か新商品を販売するときには消費者に食べてもらったり、使ってもらったりして、制作・販売者が気づきにくい点を指摘してもらうことがあります。医学書出版社でも同様の方法を用いてはどうでしょうか。単純な誤字、読者の読み易さを無視した略語の濫用、異常部位を示す矢印等の位置の誤り、古い知識での記述等について、医学書読者である医師その他の医療関係者は実際の読者として率直な意見を述べられます。
読者からの苦情はあまりないと思っている医学書出版社社員は多いと想像されますが、医学専門書の場合には読者の絶対数が少なく、その結果として苦情件数も少なくなります。多くの読者は自分の頭の中で修正しながら読むか、粗悪な文章の本は読まずに捨てると思われます。出版社に苦情を言ってくれる人の割合はごく一部でしょう。