フランスのFrance24という放送局でニュースを見ていると、男性ホルモン(アンドロゲン)の血中濃度が高い女性陸上競技選手の問題が取り上げられていました。はじめはどーピングと思いましたが改めて文章にされた記事で内容を確認すると、遺伝的な素因で男性ホルモンが高い値なのに、競技に参加するのに男性ホルモンを下げる処置を要求されているとのことでした。ドーピングで薬剤を使うことに関しては議論の余地はないでしょう。あるいは内分泌の機能不全でホルモン補充療法をしているというのであれば、基準範囲(正常範囲)におさめるというのも選手にとっても了解できるでしょう。しかし生まれ持っての体質についてはそもそも想定されていなかったでしょうし、文句を言われた選手にしてはたまったものではないと思われます。これに関連して、もし女性選手が男性ホルモン産生腫瘍があったのを未治療で競技に参加したらどうなるのだろうかと思ってしまいました。あるいは男性でも真性多血症やエリスロポエチン(赤血球産生を刺激する体内物質)産生腫瘍を持っている選手がいたらその扱いはどうなるのだろうかとも思いました。ただ実際こういう事態が起こる確率は非常に低いとは思います。