最近は時々、大病院において主治医が放射線科医の書いた画像診断報告書をしっかりと読まずに、自分の専門外の病気の記述を見落とすという問題がマスコミで取り上げられています。主治医が自分が現在見ている病気以外には注意を払わず、「癌(がん)の疑い」があるとの記述を見落とすということが問題視されています。
対策としてはいくつか考えられます。電子カルテが普及した現在では、開業医の中には紙の検査報告書は原則としてすべて患者に渡しているところがあります。大病院でも日本語で診断報告書を書いて患者にも一部印刷して渡す方法も考えられます。患者に渡すことを前提として、一般の人でも主治医の補足説明で理解できるように放射線科医はある程度平易な表現で報告書を書いてもよいかもしれません。それ以外にも、癌の疑いがあるなど重要事項は、主治医の本来の検査依頼目的とは異なっていても一行目に特記事項として記す方法が考えられます。いくら主治医が自分の関心事以外に注意を払いにくいとしても、最初の一行くらいは必ず目を通すのではと思われます。