年間購読しているNew England Journal of Medicine、2017年10月26日号を読んでいると、review article(総説)の主題は女性における妊孕性温存になっていました。簡単に言えば、若年者や小児で癌治療などのために不妊症になる恐れがある場合、卵子や卵巣組織を採取しておき、将来の結婚、妊娠、出産に備えるというお話です。それと同時に、未婚の女性が晩婚での挙児を想定して卵子の温存、仕事上の経験を積むことを優先しての妊娠時期を遅らせるといった場合にもついても言及がされていました。
病気や治療のために不妊が予想されるのであれば、男女によらず生殖細胞を保存しておくというのは十分に理解できます。一方、女性では卵子の老化により加齢とともに妊娠率の低下という現実はあるにしても、今は配偶者がいない、あるいは今は妊娠できないという理由で、卵子の保存までしてよいのかという疑問は多少あります。