新聞を読んでいると、食物アレルギーの経口免疫療法の臨床研究において、患児が一時心肺停止状態になったという事故の記事がありました。医療関連の教育を受けていない一般の方は、医療に対する不信感を強めてしまうかもしれません。研究に対する安全性確保に問題があったと思われても不思議はありませんし、研究実施者は再考する必要はあります。
ただ一般の皆様に理解してもらいたいのは、有効な上に全く無害で危険を伴わない医療行為などないということです。安全性の高い薬であっても、重たい副作用を呈する人がたとえごく少数であってもいます。手術は見方を変えれば傷害行為でもあるので、合併症など一定の頻度で起こります。手術自体で死亡しまう危険もあるのが現実です。医療従事者には安全性を高める努力が求められますが、前述のように有効かつ完全無害というのは非常に困難です。医療を受ける時には、多少なりとも危険を伴うということを頭の片隅において置きましょう。