今朝、購読している読売新聞を見ていると、ネット上の不適切な医療情報について取り上げた記事が書かれていました。主に癌(がん)を対象にした記事でした。十分な科学的な検証がされている標準治療ではなく、それ以外の治療方法を自由診療(自費診療)で受けてかえって具合の悪くなった例が紹介されていました。インターネット普及前の話ですが、類似の例としてはずいぶん前にはアトピー性皮膚炎についてアトピー商法が問題になりました。そのときは医療機関でも科学的根拠のない民間療法が行われて、かえって具合が悪くなった例のあることが多くメディアで取り上げられていました。
標準治療ではない治療を行う先生の中には、そのことを認識し、また効果の限界なども認識した上で患者にも十分な説明をした上で実施している場合も勿論あります。その一方で商売として儲けようという意図のある人や、悪意は全くなくても自分の理論は正しいと思い込んで(他人が見るとどうみてもおかしいのに)、独自の治療を推奨している人もいます。更に、どんなに注意していても人間の手作業で文章を書けば、筆者が勘違いして覚えていたり、うっかり書き間違えたりという事故は起こります。専門知識のない人に原稿を書かせて十分に監修が入らないまま掲載していたサイトが社会問題になった例もあります。医療情報に限りませんが、ネット上の情報は十分に吟味して利用しましょう。