医学、医療関連の翻訳、校閲、原稿作成に関連した内容、医学雑誌を読んでいて感じたことなどを書いていきます。原稿校正、書き直し代行、翻訳などの依頼はホームページの問い合わせフォームからお願いします。英語の他に和訳はドイツ語、フランス語、スペイン語(独和、仏和、西和)でも私自身がしています。
翻訳会社から納品されてきた訳文を校正するという仕事も頼まれてしています。その中でときにはかなりひどい訳文に悩まされることがあります。先日も修正箇所が多く、どこを修正すればもとの訳文をいかせるのかもはや見当がつかない段落もありました。
訳文を修正する立場から言うと、ひどすぎる訳文だと修正するより新規に訳文を書き直したほうが楽です。翻訳会社やその登録翻訳者には、自分たちの能力を超えている作業の時にはその旨を正直に話してもらいたいです。受注してしまったからと無理をすると、顧客は困り、翻訳会社は信頼を失い、誰も得をしません。
新聞を読んでいると、サービス業でお客様からの要望に応じるのにも限界が近づいているのではいう記事がありました。翻訳業界もそうだといえます。発注側は翻訳会社に仕事を頼む際、納品締切に余裕を持たせず、値引きの要求などもします。そしてそのしわ寄せは、翻訳会社の登録翻訳者に来ます。能力のある個人翻訳者は翻訳会社からの無理な要求に嫌気がさし、他の仕事を探します。新規に翻訳者募集に応じる人も減っています。翻訳会社の訳文の悪さは、前述の背景が一因となっていると思われます。発注側から受注側への無理な要求は、発注側の不利益につながります。