週末は、翻訳会社の作った医療関係の和訳を校閲、修正するという仕事をしていました。「治療が奏効する」ではなく「治療に奏効する」と訳すなど今までにも他の翻訳者でもみている表現以外にも、私には不自然に感じる表現がありました。若干は実際の訳文表現とは違いますが、「病気を治癒する」という感じの訳文箇所がありました。「病気が治癒する」「病気を治癒させる」なら分かるのですが、「・・・を治癒する」という言い方は私には違和感がありました。
英語原文の意味を正しく理解していない、すなわち英語力の不足による誤訳や不自然な和訳もありますが、その一方で前述のように単純に国語力の不足と思える変な日本語表現が和訳にはよくあります。たまたま私の読んでいる新聞では国語力の低下に関する記事が出ていましたが、医療関係の文章の英文和訳を行っている翻訳家の国語力も低下しているとの印象を持っています。もっとも英語の読解力と日本語での作文力のある人材がいても、報酬その他の面で翻訳会社とは取引できない背景はあります。