医療関連の翻訳では、翻訳支援ソフト(翻訳メモリソフト)の使用を必須とする翻訳会社の求人が主流になっています。翻訳能力のある人による完全な手作業の方が良質の訳文になるのに、なぜ翻訳支援ソフト使用を必須とするのか、そんな疑問が生じて考えてみました。
翻訳会社への注文者が支援ソフト利用を翻訳会社に要求しているとしたら、注文者に利点があるはずです。翻訳の質が落ちても利点があるとしたら何なのでしょう。注文者が過去に扱った文章の翻訳データベースを用意していて、それと一致する部分については支払額の減額を要求しやすいのかもしれません。あるいは翻訳会社の訳文は誤訳や不自然な訳文が多くて困った果てに、注文者は対訳データベースを作ってそれを以後の発注においてある程度の下訳として作ったうえで、翻訳会社にその下訳を利用した訳文作成を頼んでいるのかもしれません。これはあくまで私の憶測で、実際のところはどうなのか分かりません。