翻訳会社から納品されてきた訳文を直すという依頼を継続的に某社から受けています。翻訳会社の訳文の信頼性は低いからこそ、私に修正を外注しているわけではあります。とはいえ、その翻訳会社は、私への直接の依頼主を通して何度誤りを指摘しても同じ不自然な訳を書いてきます。その代表例が「患者が奏効」というものです。医療関連の翻訳ですから、奏効=効果を発揮するのは薬などの治療手段です。「患者(主語)が効果を発揮する」のではなく、「患者において治療が効果を発揮する」ということです。
この翻訳会社は翻訳者にこのように訳すよう指導しているのかもしれません。あるいは最近は翻訳メモリソフトを使い翻訳作業をする翻訳会社が増えていますが、その対訳データベースにおいては「患者が奏効」と登録されていて、それが訳文に反映されているのかもしれません。