昨日は翻訳会社の作った英文和訳の修正作業を頼まれてしていました。しかしこの訳文があまりにひどい。元の訳文のどの部分を書き直し、どこを残して活用できるのかが分かりにくいのです。自分で白紙から訳すより大変ともいえる状況でした。
その原因は何なのか少し考えてみました。一つの要因は少ない文字数で簡潔に表現できるのに、多くの文字数を使ってだらだらと訳文が長くなっていて、訳文を読んでもその内容を理解しにくかったことがあります。次は日本人が英語を読むときにやりがちな"返り読み"をしている、すなわち英語原文は前から書かれているのに日本人は後ろから読んで訳しているという要因です。原文と訳文を同時に参照しながら訳文チェックをする側としては、前から順次訳していってくれた方がやりやすいです。
勿論それ以外にも医療用語または業界用語を訳者が分かっていないために不適切な訳語をあてる、明らかな誤訳をするといった要因もあります。単純な訳し忘れも多かったです。また名詞に複数の形容詞が付いているときには、基本は最初の形容詞、次の形容詞と順次訳していくと思いますが、訳文では後に出てきた形容詞が先に訳されて文頭側にあるといった問題もありました。
元の訳文の文字数で訳文校閲料金が決まっている状況だと、手間と労力は増えるのにもらえるお金は同じで辛いです。翻訳会社の皆様は悪質な経営を止めて、編集が可能な程度の訳文を提供する良心的な経営をしましょう。