医学、医療関連の翻訳、校閲、原稿作成に関連した内容、医学雑誌を読んでいて感じたことなどを書いていきます。原稿校正、書き直し代行、翻訳などの依頼はホームページの問い合わせフォームからお願いします。英語の他に和訳はドイツ語、フランス語、スペイン語(独和、仏和、西和)でも私自身がしています。
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先日、「突発性細菌性腹膜炎(SBP)」という語句を某医学書でみかけました。どうやら「特発性細菌性腹膜炎」とするところを書き間違えたようです。その文章を読みながら、まだ私が大学生だった時、末梢動脈疾患の症状としてみられる「特発性脱疽」を授業で「突発性脱疽」と書いていた先生がいたのを思い出しました。医学書編集者、校正者は「特発性」と「突発性」の書き間違いにも特に注意が必要と思われます。
ちなみに「突発性」という語句で始まる病名としては「突発性発疹」や「突発性難聴」があります。
翻訳会社や個人の翻訳者に訳文作成を発注する場合、簡単な翻訳テスト、いわゆるトライアルをして翻訳能力を確かめる方々もいるでしょう。その際には発注予定の原文を少しだけ訳させるという方法がまず考えられます。それ以外にも、翻訳者が間違えやすい語句、辞書だけを頼りにしていては正確には訳しにくい語句を含む文章を多く選んでおいて、それらを訳させるという方法があります。
ただし翻訳会社に対してこの方法を用いるときには、注意すべき点があります。翻訳テストの時だけ能力の高い人材に作業をさせる会社があります。受注が確定すると、わずかな報酬でも仕事をしてくれる下手な登録翻訳者に下請けに出す会社があります。私自身も結果的に翻訳会社のこのたくらみに協力してしまった経験があります。
医療分野に限らず、翻訳者募集や訳文校正者の求人を見ていると報酬金額が書かれている場合があります。それらの金額には驚かされます。「時給換算1200円程度」「時給にして1000円程度」といった感じの金額です。中学~高校レベルの英語力、国語力でよい作業なら、この金額でも仕方ないでしょう。しかし、英語以外の言語、あるいは英語でも医療など高度の専門知識と作文力を要する作業でこの報酬額では、それだけの能力のある人は他の仕事を探します。翻訳会社への発注でよい訳文は期待しがたいはずです。